ばね指(弾発指)
指の曲げ伸ばしの仕組み
指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。
指のてのひら側には、屈筋腱という指を曲げる腱が、指の背側には、伸筋腱という指を伸ばす腱が存在しています。
指を曲げる屈筋腱の浮きあがりを押さえる靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)というトンネルがあります。
この屈筋腱と靭帯性腱鞘の関係は、ちょうど、ベルトとベルト通しの関係に似ています。
指のつけ根付近の靭帯性腱鞘は、力のかかりやすいところです。
腱鞘炎からの進行
使い過ぎなどで、炎症をおこすと、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。
これを『腱鞘炎』といい、進行すると引っかかりばね現象が生じます。
これが『ばね指』です。
さらに悪化すると指が動かない状態になります。
原因
更年期の女性に多く、妊娠時、産後に生じることがあります。
手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の方に多いのも特徴です。
糖尿病、リウマチ、透析患者にもよく発生します。母指(親指)、中指、環指(薬指)に多くみられます。
指を使いすぎると、腱が肥大したり、腱鞘が肥厚して通過障害を起こすと一層症状が強くなります。
治療
① 保存療法
- 局所の安静(シーネ固定など)
- 腱鞘内にステロイド注射を施行。
この注射は有効で3か月以上無症状ということも多いですが、再発することも少なくありません。
② 手術療法
保存療法で症状が治らないときや指が曲がったまま伸びないときや再発を繰りかえす場合などに、腱鞘の一部を切開する手術を行います。
ゆびの付け根の痛み、ばね指でお困りの方は、整形外科にご相談ください。