野球肘
成長期に、投球を繰り返すことによって生じる肘の障害を野球肘といます。
上腕骨の外側、内側、後方の障害がありますが、内側の障害が約90%を占めると言われています。
症状
内側型の野球肘は、投球動作の加速期に、肘関節内側に牽引ストレスが加わります。
肘内側の圧痛が出現します。
症状が強くなると、可動域制限や、肘の曲げ伸ばしの最終可動域で痛みを伴います。
外側型の野球肘は、最も重症度が高い疾患で、外傷説、炎症反応説、栄養障害説、内分泌異常説などがありますが、血行動態など内的要因に、投球が繰り返される力学的ストレスといった外的要因が加わって発生するという説が有力です。
10~11歳頃に、上腕骨の外側部虚血変化をきたし、さらに進行すると、関節軟骨が離れて遊離体を形成し、肘関節の変形に至ります。
初期症状はなく、初期にたまたま健診等で発見されることがあり、進行すると、肘外側に痛み、可動域制限が出現します。
終末期となり、遊離体が陥頓すると、著しい可動域制限や激痛を伴います。
診断
野球をしていて、肘に痛みがあり、動きも悪いなどの症状があれば、野球肘が疑われます。
X線(レントゲン)検査やMRI撮影で診断します。
治療
投球の中止が重要で、肘の安静が大切です。
痛みを我慢して投球を続けていると障害が悪化して、症状によっては手術が必要になることもあります。
初期~進行期では、肘関節を使わないようにします。
保存療法は1年以上かかることもあります。
終末期には、手術が選択される手術には、骨に穴をあける方法、骨を釘のようにして移植する方法、肋軟骨や膝の軟骨を移植する方法などがあります。
リハビリが重要
野球肘は、内側型が多く、リハビリが重要です。
野球肘のリハビリテーションについてはこちらで紹介しております。
野球肘が疑われる場合は、お近くの整形外科を受診してください。