前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症は、加齢に伴い前立腺が徐々に大きくなり、尿道を圧迫することで排尿に関するトラブルを引き起こす病気です。
特に50歳以上の男性に多く見られ、症状が進行すると日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
主な症状
前立腺肥大症にともなう排尿障害として、以下の症状が一般的です。
- 頻尿:特に夜間にトイレに行く回数が増加
- 排尿開始の遅れ:尿意があってもすぐに排尿できない
- 尿の勢いの低下:尿流が弱く、十分な排尿が得られにくい
- 断続性の排尿:尿が途中で途切れる
- 残尿感:排尿後も膀胱内に尿が残っている感覚
- 尿漏れ・切迫感:急に尿意を感じ、トイレに間に合わない場合がある
進行すると、尿が全く出なくなる「尿閉」という緊急事態に陥ることもあります。
検査の流れ
前立腺肥大症が疑われる場合、以下の検査を実施して、症状の程度や原因を明確にします。
問診と症状評価
IPSS(国際前立腺症状スコア)を用い、排尿に関する症状の重症度を評価します。
下記の質問表で高い点数が出た方は一度ご相談にご来院ください。
(0~8点:軽症、9~19点:中程度、20点~:重症とされています)
直腸診
指診により前立腺の大きさや硬さを確認し、異常の有無を調べます。
尿検査
感染症や血尿の有無をチェックし、他の原因との鑑別に役立てます。
超音波検査(エコー)
前立腺のサイズや膀胱内の残尿量を測定します。
PSA検査
前立腺がんとの鑑別のため、前立腺特異抗原の数値を調べます。
尿流測定検査(ウロフロメトリー)
尿の流れや勢いを定量的に評価し、排尿障害の程度を把握します。
治療方法
治療は症状の重症度や生活の質への影響に応じ、以下の3つのアプローチで行われます。
薬物療法
α1遮断薬
膀胱および前立腺の平滑筋の緊張を弱めることで、排尿をスムーズにする作用があります。
5α還元酵素阻害薬
前立腺のサイズを縮小することで症状を改善します(効果発現までに数ヶ月かかることがあります)。
PDE5阻害薬
尿道および前立腺の平滑筋を弛緩させ、排尿をスムーズにする作用があります。
抗コリン薬・β3作動薬
頻尿や尿意の切迫感を緩和するために使用されます。
手術療法
手術による治療が必要な患者様につきましては、専門の医療機関へご紹介いたします。
経尿道的前立腺切除術(TURP)
前立腺の一部を削除する標準的な手術法です。
ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)
レーザーを使用することで、再発リスクを低減する効果が期待されます。
水蒸気治療や高温治療
前立腺組織を熱エネルギーで縮小させる低侵襲治療も選択肢としてあります。
生活習慣の改善
水分摂取の調整
特に夕方以降は過剰な水分摂取を避け、夜間の頻尿を予防します。
カフェイン・アルコールの制限
利尿作用が強く、症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
骨盤底筋トレーニング
排尿コントロールを向上させる効果が期待されます。
規則正しい生活習慣
便秘の予防や適切な体重管理も、症状の改善に寄与します。
前立腺肥大症を放置するリスク
治療を行わずに放置すると、以下のような深刻な合併症が生じる可能性があります。
- 尿閉(尿が全く出なくなります)
- 膀胱機能の低下
- 腎機能障害(腎不全)
排尿に関する異常がある場合は、早期に専門医の診察を受けることが重要です。
尿のトラブルを感じたらご相談ください
前立腺肥大症は放置すると尿閉や腎不全などの深刻な合併症につながります。
排尿トラブルや不安を感じたら、泌尿器科専門医にご相談ください。
迅速な対応で、安心した日常生活をサポートいたします。