あなたは大丈夫?
骨粗鬆症の自己評価ツール3選
骨粗鬆症、若くてもリスクはあるってご存知ですか?
みなさんは骨粗鬆症に対して、どのような印象をお持ちですか?
「骨がもろくなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなる」「寝たきりや要介護の原因になる」といったことはよく知られている多いと思います。
では、どのような人がなりやすいのか、予防方法や、検査・治療方法についてはご存知ですか?
骨粗鬆症とは、骨強度が低下し(骨がもろくなる)、骨折しやすい状態になる疾患です。
この骨強度は、20歳代でピークに達し、その後徐々に減っていきます。
特に40歳を超えた女性においては、女性ホルモンの影響もあり、骨密度が大きく変動し、骨粗鬆症になるリスクが高くなります。
骨粗鬆症は若いうちからの予防と対策がとても重要です
骨粗鬆症は、高血圧症や糖尿病といった疾患と同じように、以下のような特徴があります。
- 発症初期には自覚症状がほとんどない
- 気づいた時には進行していることが多い
- 発症した場合、長期的な治療や生活習慣の改善で進行を遅らせる必要がある
「骨粗鬆症は高齢者の病気」とお考えの方は多いかもしれませんが、その病気にならないために
- 若い頃からの予防
- 早期発見するための定期的な検査
がとても大事になるのです。
若い方の「痩せすぎ」も骨粗鬆症に関係します
“肥満”に関する健康問題は、よく耳にもする事があると思いますが、“痩せ”も健康問題に大きく関わり、骨粗鬆症の原因になることが分かっています。
現代では「細く美しくありたい」という願望から、ダイエット志向となり、標準体重よりも低い、細身の方が増えています。
骨粗鬆症は高齢になって発症することが多いですが、無理なダイエットををすると、年齢に関係なく骨粗鬆症のリスクを高めることが分かっています。
検査をしなきゃいけないのはわかるけど…
健康増進法のもと、骨粗鬆症検診が40~70歳の女性に5歳刻みで実施されています。
自治体によっては性や年齢を拡大して実施しているところもありますので、お住まいの自治体の骨粗鬆症検診について調べてみてください。
骨粗鬆症検診は、手軽に検査を行えるメリットがあります。
しかし開催日が年に数回だったり、開催場所も限られていることも多く、お忙しい方、会場に行きにくいなどの理由で足が遠のいている方もいるかと思います。
また、お近くの整形外科で定期的に骨粗鬆症検査をすることは望ましいですが、なかなか通院できない方などもいるかと思います。
そんな方のために、まずはご自身で簡単にできる、骨粗鬆症のセルフチェックをオススメします。
骨粗鬆症の自己評価ツール3選をご紹介!
今回は、骨粗鬆症のリスク、または骨粗鬆症による骨折が起きている可能性があるか、ご自身で・ご自宅で簡便にチェックする方法を3つ紹介いたします。
お一人ではもちろん、身近なご家族などにもご紹介したり、一緒に行ってみてください。
将来10年間の骨折リスクを評価する「FRAX」
FRAX(:Fracture Risk Assessment Tool)は、世界保健機関(WHO)の国際共同研究グループが作成したプログラムです。
骨粗鬆症による骨折が向こう10年のうちに発生する確率が分かります。
対象は40歳以上の方で骨粗鬆症による骨折の発症に関わる危険因子、以下の簡単な12の質問項目を入力します。
判定結果が15%以上の場合は、正確な骨密度検査をする必要があると言われています。
12の質問項目リスト
- ① 年齢
- ② 性別
- ③ 体重
- ④ 身長
- ⑤ 骨折歴 *1
- ⑥ 両親の大腿骨位部骨折歴
- ⑦ 喫煙
- ⑧ 糖質コルチコイド *2
- ⑨ 関節リウマチ
- ⑩ 続発性骨粗鬆症 *3
- ⑪ アルコール(1日3単位以上)*4
- ⑫ 骨密度(BMD)*5
*1 成人してからの骨折の有無を問います。
*2 現在ステロイドの服用をしている、または過去に3カ月以上服用していたことがあるかを問います。
*3 Ⅰ型糖尿病、性機能低下症、45歳未満の早期閉経、成人の骨形成不全、栄養失調、慢性肝疾患などの疾患があるかを問います。
*4 ビール(285ml)3杯、ワイン(120ml)3杯、日本酒1.5合(270ml)、ウイスキー(90ml)3杯が目安です。
*5 分からない場合は未入力で大丈夫です。
計算ツール結果の見方
年齢と体重から骨粗鬆症リスクを予測する「FOSTA」
FOSTA(:Femele Osteoporosis Self assessment Tool for Asia)は、体重と年齢を組み合わせるだけで骨粗鬆症のリスクを評価できるツールです。
アジア8カ国・800人の女性を対象にして行われた調査の結果では、年齢・体重と骨密度に深い関係があり、痩せている方の方が骨粗鬆症のリスクが高いと報告されました。
以下の計算式に身長・体重を入れるとFOSTA指標が算出され、低リスク群・中リスク群・高リスク群に分類できます。
高リスク群に該当された方は、骨密度検査をしましょう。
FOSTA指標 =[体重(kg) ー 年齢(歳)]× 0.2
身長や姿勢の変化から調べる「骨粗鬆症ワン・ツーチェック」
身長の低下や背骨の変形(腰曲がり)が生じている方は、そうでない方よりも骨粗鬆症による骨折のリスクが高いと言われています。
壁に立つだけで確認できるチェック方法です。
2つのチェック項目のうち1つでも該当した場合、骨密度検査をしましょう。
当院ではより正確な骨密度検査が実施できます
紹介したセルフチェックはあくまでも目安になるものです。
実際に調べるにはやはり骨密度検査を受ける必要があります。
健康診断や人間ドックでも検査はできますが、健康診断では超音波測定法、MD法というもので実施しており、簡便な方法になります。
当クリ二ックでは精度が高く誤差も少ない、DXA法による精密検査ができる骨密度測定装置による検査を実施しています。
10分程検査機に横になっていただくだけで測定できるので、負担が少ないのも特徴です。
またレントゲンによる検査で、背骨の圧迫骨折の有無や骨の形・濃さを診たり、血液検査でわかる骨代謝マーカーというもので、骨の新陳代謝のバランスを診ることも併せて行います。
「健康診断では大丈夫だったのに、病院でしっかり検査したら骨粗鬆症だった」といったケースも少なくはありません。
患者様ひとりひとりに適切な治療を選択、実施しています
詳細に検査をして、骨粗鬆症の治療が必要と判断された場合、治療を進めていきます。
検査の結果を基に、患者様一人ひとりに応じて必要な治療方法を紹介して、これから長期になる治療がなるべく患者様の負担なく継続できるような方法を、医師と患者様とで相談をしながら決めていきます。
食事療法や運動療法など、薬での治療以外も行える方法も医師をはじめ、当院の看護師や理学療法士も加わりながら紹介しています。
セルフチェックを行って、「自分は(家族は)大丈夫かな?」と感じた方は検査だけでも受けてみてはいかがでしょうか。
予約なしでいつでも検査をすることができますので、「セルフチェックをして気になった」と、ご気軽にご相談ください。